「同じ記憶があるって素敵。」
『スウィート・リトル・ライズ』を見てる。江國香織の小説って今思い返してみるとホラー。透明感しかなくて、ノッペラボウなキャラクターばかり。

「でも、やっぱり一緒に記憶するだけではダメなんだよ。一緒に何度も思い出さないと。」
そうだ2人の思い出は使い捨てじゃない。口の中で何度も転がしながら、飴が徐々に溶けて甘酸っぱい味が広がる。思い出ってそんなもの。
江國香織の作品ってあんまり好きじゃないです。
そういってた子がいたけれど、何となくいいたいことは分かる。けど、彼女が受け入れられないその部分が好きなんだわな。江國香織の作品の登場人物は人間味がない人間が多い。登場人物の性質に重きが置かれていない感じがする。ストーリー展開も先読みしやすい。あまり好きでない人たちにとって、構成上すごく面白みのない作品なんだと思う。本当に言葉遊びでしかない。その言葉遊びが僕は大好きだったりする。

黒川伊保子さんによると、正義や肩書きといった比較的客観的な評価機構が疑似自我として存在する若い男性脳に本当の自我は存在しない。江國香織の小説が女性作家の中でも比較的男ウケするのは、自我的描写が少ないだったり、風景や状況描写によって暗喩的、間接的だからなのかもしれない。描かれた感情に対する共感を求める女性脳読者には少し物足りないのかもしれない。男性脳読者にはその極めて巧い情景描写や暗喩が何とも言えない余韻のようなものに感じるのかもしれない。
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